がん治療の目指すべきものとは?

がん治療の目指すべきものとは?

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医療は、患者にどこまでがん治療を行うべきでしょうか。医師は患者の病状ごとに、異なる目標をもって治療計画をたてます。一番の目標は、がんを完全治癒させること。二番目は、患者の命をなるべくのばすこと。最後は根治せずとも症状を和らげて、質の良い生活を送らせてあげることです。

 

がんの治療には副作用が避けられないので、医師は常に副作用の害が、治療の効果に見合ったものであるかどうか判断しながら、治療方法を選んでいかなければなりません。一番の目標であるがんの完全治癒は、原発がんを手術や放射線治療で取り除く「根治治療」と抗がん剤や放射線を使って原発がんの転移や再発を防ぐ「補助治療」があります。

 

がん治療の目指すべきものとは?完全治癒から緩和ケアまで。

 

がんの完全治癒が望めない段階では、二番目の延命治療が選ばれます。原発がんが、転移、再発した場合は、もはや薬物療法で完治することは難しいでしょう。患者に負担がかからないよう、生活の質を確保しつつ、効果をみながら投薬を続けていきます。

 

最終段階の症状を和らげる治療とは、肉体的苦痛だけでなく、患者とその家族の精神的な苦しみまで緩和するような治療法のことです。この緩和ケアは、命に関わる病状にある患者と家族に対して、医療をほどこす側が肉体的、精神的、社会的、宗教にまでわたり、彼らの抱える問題をみきわめて、対応するケアのことです。

 

 

緩和ケアでは、残された命の時間の質をあげることが目標ですが、そのことが命をのばすことになる場合もあります。生命に関わる段階のがん患者は、肉体的苦痛、精神的苦痛に加え、スピリチュアルペイン(心の内的、つまり魂の痛み)を抱えることが多いです。

 

がん患者が死に直面する不安から、自分の存在とは何か、生きている意味とは何だろう、と考えはじめ、その苦しみは肉体的、精神的苦痛をはるかに超えたものとなるのです。

 

 

トータル・ペイン(全人的苦痛)という概念があります。人が抱える苦痛の全体という意味合いですが、医師をはじめとした治療に関わる側は、がん患者の肉体的、精神的、社会的、心の内的(スピリチュアル)苦痛を全部合わせた、トータル・ペインに配慮した治療を心掛け、生活の質を保つことに尽くす必要があります。


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