外科治療(手術)がんの根治を目指す

外科治療(手術)がんの根治を目指す

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がん細胞は無制限に増え続ける、という他の細胞とは異なる特質があります。発生したがん細胞が、すべて死ぬことなく分裂を続けるとどうなるか、試算してみましょう。ひとつの細胞が1回分裂すると、2つになります。2回で4個、3回で8個、と分裂を繰り返していくと、10回の分裂で約1000個、20回で約100万個というように急激に増加していきます。

 

大きさに関していえば、ひとつのがん細胞を約20μmとすると、100万個で2o、10億個で2pになり、画像判断が可能な大きさになります。直径20pのがんでは、がん細胞が約1兆個も集まっています。

 

 

1億個以上のがん細胞が集まった腫瘍を、薬などでなくすことは難しく、手術でしっかり取り去ってしまうのが、がん根治に近づく方法です。しかし、手術はがんを根治するためだけに行われるのではありません。

 

腫瘍減量手術(腫瘍を出来る限り取り除いたあと、化学療法、放射線治療などで根絶をめざす)や、姑息手術(がんの根治が難しい場合でも症状の緩和のために行う)、転移がんの切除、がんが原因で起きた症状の対処、がんからのリハビリや再建をめざすための手術など、患者の生活の質を保つためにも行われるのです。

 

外科治療(手術)がんの根治を目指す

 

手術は傷や後遺症を残すため、治療法として不完全なものといえます。切除部分が大きくなるほど合併症や後遺症が起きやすくなるので、生命にかかわってくるのです。再発の可能性のあるがんに対して、手術が果たして有効かどうか、意見は様々ありますが、現在では患者の身体的負担の少ない手術法が用いられてきています。

 

ダ・ビンチというロボットを使った手術や、センチネルリンパ節生検を行い、必要以上にリンパ節を切除しないですむ手法が、患者の負担を減らすべく、縮小化された手術の例としてあげることができます。

 

 

手術前に、がんの病状がある程度正確に把握できるようになったこと、手術だけでなく薬物治療や放射線治療も組み合わせて治療するようになったことから手術の縮小化が進んでいますが、この背景には、患者の生活の質を保つことが大切にされるようになった時代の変化もあるでしょう。

 

手術後の補助療法は欧米の標準に則って決定されることが多いのですが、日本の手術成績、とくに大腸がんや胃がんの場合などは、欧米より良好な傾向にあるので、今後は国内の手術水準を考慮にいれて補助療法の方針を決めるべきだといえます。


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