がん治療の費用対効果について

がん治療の費用対効果について

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イギリスのように費用対効果を考慮した医療政策を行っている国があるのに対し、日本では費用対効果に視点をおいて医療保険の適用を決めるシステムはありません。しかし、限られた医療財政の中で、今後は費用対効果の高いところに医療資源を配分できるようなシステムづくりを早急に行っていく必要があります。

 

費用対効果の低い例として、粒子線治療があります。これは費用のかかる治療で、中には治療施設の建設費、設備費が500億円を超え、運営するだけでも50億円かかるような施設があります。診療費には年間500万円ものコストがかかっています。それにもかかわらず、1年の治療実績は数百人程度です。粒子線治療は費用対効果が高いとはいえないにもかかわらず、すでに国内に7つも専用施設が建設されています。

 

がん治療の費用対効果について

 

一方、一般の病院で使用されているライナック(電子用加速器)は2億円ほど設置でき、治療に保険が適用されます。そして、粒子線治療と同レベルの治療効果が望めるのです。費用対効果が高いといえるでしょう。

 

粒子線治療の施設とライナックをくらべると、医療の費用対効果の点において、粒子線治療が割高なのにもかかわらず、地方自治体が競って設置しているのは、箱物行政の悪影響に他なりません。

 

放射線治療を必要とするがん患者が数多くいるのに対し、現場では専門分野の人手不足に悩まされています。粒子線治療に補助金を出すのであれば、その分、一般の放射線治療の充実に力を入れるべきだといえます。例えば、保険点数を上げるなり、不足している専門職の配置に点数を加算するなどの方法も良いでしょう。


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