EBMによるがん治療の進歩について

EBMによるがん治療の進歩について

このエントリーをはてなブックマークに追加  

EBMの普及により、医療全体が標準化され、がん治療の水準もあがりました。しかし、別の問題もでてきました。かつては医師の多くが、手術が困難なほどがんが進行した患者に対し、今後の病状や余命に言及せずに、その場をしのぐ話をして対応していました。

 

しかし今では、がんが進行し治癒する見込みがない患者に対し、手術をしても完治することは見込めないので、抗がん剤でがんを抑えながら今後の生活を有意義に過ごすことを提案するなど、偽りなく事実を伝えるようにしています。

 

EBMによるがん治療の進歩について

 

つまり、EBMのいうところの根拠とは、医療の力を示すと同時に限界も示されているということです。今後3年以内の生存率が80%というデータをみると、一瞬安心してしまいますが、10人の患者のうち2人は確実になくなることをも意味します。患者一人からすれば、自分が3年は生き延びる8人の方のグループに入るのか、亡くなるグループの2人になるのかは100%か0%のどちらかなのです。

 

しかも、がんが再発した場合に生きのびる期間の平均は10か月という場合、10か月もたずに亡くなる人が確実にいることを意味します。かつてのEBMが謳われなかった時代のほうが、医師は、あいまいで(ある意味無責任ともいえますが)、患者にとって優しい言葉をかけてあげることができたともいえます。


このエントリーをはてなブックマークに追加