治療装置の専門医は、わずか20人しかいない

治療装置の専門医は、わずか20人しかいない

このエントリーをはてなブックマークに追加  

がん対策基本法に基づき、国内では2007年にがん診療連携拠点病院の整備がはじまりました。現在ではその数は確実に増え、390か所を超えているものの、がん専門医の数は不足しているのが現状です。とくに、がん薬物治療と放射線治療の専門医が足りていません。

 

がん薬物療法専門医は585名(2012年現在)で、数としてみると米国の5%、人口比でみても10%の少なさです。放射線治療の専門医も、500名弱で米国の10%以下、人口比で20%以下の比率です。放射装置の精度を管理する物理工学専門家は20名程しかおらず、米国の0.4%です。

 

近年では、がん腫瘍に正確に照射する手法が取り入れられつつあり、これには物理工学の高度な専門知識と多くの人手が必要です。専門医が不足していては、折角の技術も導入自体が難しくなってしまいます。

 

日本では、がん診療の7割以上は外科医がこなしているのが現状です。手術だけでなく、内視鏡検診、マンモグラフィー、場合によっては、薬物療法や緩和医療まで担当してこともあります。外科医自体も研修医から人気がなく、担い手が減ってきつつあり、がん医療における人材不足はますます深刻なものになっています。

 

すべてのがんのうち、5〜10%は遺伝性といわれています。そのため、診療や予防教育にあたって遺伝子カウンセリングが必要です。しかしながら、国内では現在遺伝子カウンセラーを置いている医療施設は、ごくわずかで、遺伝性のがん患者への対応が遅れています。

 

治療装置の専門医は、わずか20人しかいない

 

医療費の高騰を抑えるには?

 

世界各国の医療制度は異なるものの、どの国も財政事情が悪く、日本を含め医療費の念出に苦労しています。2009年、OECD加盟国の医療費をGDP比でみると、1位アメリカ(17%)に対し、日本は24位(8.5%)で、平均9.5%を下回っています。

 

他方、WHOの統計(2000年)では、日本の平均寿命は、世界第一位、乳幼児死亡率も世界最低で総合評価が第一位です。日本は、費用対効果において世界最高水準の医療が受けられるといえるのです。

 

2008年における国民医療費は34兆円で、そのうち国民の保険料と患者の自己負担が7割、3割は国庫や地方財政が補っています。今後高齢化にともない、医療費はさらにあがっていくでしょう。国の財政は借金が900兆円にものぼっており、今後医療費を増やすことは難しそうです。

 

苦しい医療財政の中で、がん診療においても費用対効果があがるよう、資金の再分配を考える必要がでてきました。イギリスでは、こうした費用対効果に重きをおいた医療政策を行っています。


このエントリーをはてなブックマークに追加