イギリスの国立医療技術評価機構(NICE)について

イギリスの国立医療技術評価機構(NICE)について

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イギリスには国立医療技術評価機構(NICE)という機関があり、公的な医療の下での薬、医療機器、治療方法に関して基準を設けています。NICEは政府や公的医療機関から独立した法人なので、これらから関与をうけることはありません。

 

NICEは薬や治療法にたいして、その効果だけでなく、経済性も評価しています。新薬が発売されてから1年は製薬メーカー側がその薬の価格や、対象患者の症状を決定しますが、その後、その薬の使用に関しての決定はNICEが行います。臨床現場からの意見、国外における同様の薬の使用状況、さらに費用対効果の観点から評価した上で、対象患者や症状の詳細を決定していくのです。

 

イギリスの国立医療技術評価機構(NICE)について

 

注目すべきことは、医薬品の評価基準における、費用対効果の比重の重さです。「患者が一年間健康に過ごすために必要とするコスト」を指標にして、その価値を評価します。約390万円を保険適用の上限とし、分子標的薬などの抗がん剤は保険対象外になっています。

 

がんなどの重大な疾患の場合に、これまで使用していた医薬品がNICEによって低い評価をうけてしまうと、治療が続けられなくなり、患者の生命が脅かされる状況になります。そういった場合の対処として、NICEは医薬品メーカーにその製品価格を下げさせて、費用対効果を改善させることもあります。そして再び使用を承認するというわけです。


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