ガンをつくり出す条件

ガンをつくり出す条件記事一覧

細胞の「分化」と遺伝子の変異

私たち人間の体は、基本的に細胞とその生産物によって形作られていて、そのすべての細胞は、たった1つの受精卵から生まれたものです。メスの卵子がオスの精子を取り込むことによって受精卵ができると、すぐにものすごい勢いで分裂をはじめます。その結果生まれてくる細胞は、最初は単細胞生物のように、すべて均一で同じ細...

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なぜがん細胞は、利己的に振る舞うのか?

DNAには、その生物がつくることのできるすべてのたんぱく質(部品)の構造と、それらをひとつひとつを取り出すためのスイッチが書き込まれています。個々の細胞は、常時まわりの状況を察知することにより、タイミングを見極めて、たんぱく質合成の指示をするたくさんのスイッチのON・OFFをします。その結果、細胞自...

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細胞を増殖させる遺伝子について

歴史の上で、一番最初に見つかったがんウイルス(腫瘍ウイルス)は、「ラウス肉腫」でニワトリに感染するものでした。このウイルスがもっているがん遺伝子は、ある酵素(チロシンキナーゼ)をつくりだします。この酵素がどういったはたらきをするかというと、おもにたんぱく質をつくっているアミノ酸の一種(チロシン)に、...

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1文字の違いが、がんを引き起こす

動物のがんウイルスに関係するこういった発見をすることで、盛り上がりを見せた研究者たちは、もっと本質的な問題、つまり人間のがんの原因の研究に取り組み始めました。しかし、前述したとおり、人間からがんウイルスを発見するというのは、例外はあったにせよ、ほぼ失敗続きでした。そこで研究者たちは矛先を変えることに...

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細胞の増殖を抑える遺伝子について

人間の体は、絶え間なく新陳代謝が繰り返されています。それにもかかわらず、体を形づくる細胞は、いつも適切な数に保たれています。これは、人間の体に、非常に精妙な細胞の数を調節するシステムが備わっているからです。そのひとつは、さきほど述べた細胞の増殖を促進する“正のしくみ”です。そしてもうひとつは、細胞の...

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がん抑制遺伝子とは?

がん遺伝子に比べて、がん抑制遺伝子を発見するのはなかなか難しいのです。がん遺伝子は、それを正常な細胞に取り込ませることによって、がん遺伝子かどうかを判断することができます。つまり実験で細胞をがん化することができれば、それはがん遺伝子ということになります。対して、がん抑制遺伝子は、正常な細胞の中のたく...

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細胞の分化を抑制するしくみ

細胞の増殖を抑えるしくみは他にもあります。もうひとつ、大事な抑制システムがあって、それは「細胞が分化する」、つまり細胞が筋肉細胞や神経細胞などの特別な能力を持つ細胞に変化することです。細胞の増殖と分化は、密接な関係があります。細胞の多くには、分化は増殖している間は抑えられていて、増殖が止まると分化す...

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細胞を自殺させる遺伝子

人間をはじめとする生物がたった1個の受精卵から生まれて育っていくときや、成長の後に体を正常に保っていくときには、細胞の増殖を制御するしくみがとても重要になってきます。同時に、いらない細胞を積極的に排除していくしくみも重要なのです。たとえば胎児の手の先は、一番最初は「うちわ」のような形をしています。し...

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細胞の分裂回数計のカウンターをゼロにする遺伝子

多くの正常な細胞は、永久に分裂することはできません。例外としては、組織の再生や胎児の初期発生にかかわる「幹細胞」とよばれる細胞があります。では、それ以外の細胞はどうやって自分の寿命を推し量るのでしょうか?同じ種類の細胞を違う条件のもとで培養すると、細胞の分裂する速度に違いはあれど、分裂できる回数には...

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血管をつくり出す遺伝子

腫瘍細胞、かなり悪性度の高いがん細胞は、増殖するのにかなりの量の栄養を必要とします。腫瘍細胞が増えて直径1ミリ以上の固まりになっても放置していると、内部に栄養や酸素が行き届かなくなり、中心のほうから死んでいきます。そこで、腫瘍細胞がそれ以上増殖するためには、栄養と酸素を取り込むための新しい血管を、自...

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がんの転移を助ける遺伝子と転移を抑える遺伝子

もっともやっかいながん細胞がもつ性質は、細胞が体内の同じところにとどまらず、転移することです。ふつう、良性の腫瘍は固形分子の膜に包まれているのですが、がん細胞はこの膜をすり抜けて周りに広がったり(浸潤)、リンパ管や血管に入って移動し、体の全く違う場所に巣を作ったりします。これをがんの転移といいます。...

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代謝異常を引き起こすガン細胞

生物やそれをつくる細胞にとって、DNAは「設計図」のようなものです。建物や器物をつくったり、維持していくには設計図が必要不可欠ですが、実際にそれを行ったりメンテナンスをするとなると、材料や工場、あとはエネルギーも必要になってきます。私たち人間は、食物に含まれている炭水化物や、たんぱく質、脂肪などから...

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エネルギー生産のために発酵するがん細胞

1956年、名の知れているドイツの生化学者オットー・ワールブルク(1883〜1970年)は、アメリカの科学雑誌「サイエンス」に「がん細胞の起源について」という題名の講演記録を載せました。彼はその中で、「がん細胞は呼吸をする構造が壊れているが、その代わりに発酵によってATPを生産している」という自分の...

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代謝遺伝子とは何か?

がん研究にひとつの転機が訪れたのは、2009年のことです。その背景には、ゲノム解析を綿密にしたことや、代謝物の解析をする技術が向上したことがあげられます。ゲノム解析技術がまだ未熟だったころ、がんの原因となる遺伝子の変異について研究を行う場合、研究者の多くは今までに見つかっているがん遺伝子やがん抑制遺...

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遺伝子の変異は偶然なのか?

いろいろな遺伝子の変異が、がんを特徴づけています。こういった変異は一気に起きるものではなく、だんだん積み重なっていきます。良性腫瘍が長い間放置されると、がんが生じることがあるのはそのためです。ところで、がん化することを少しずつ後押ししているこういった変異のうち、がん遺伝子の活性化は、1段階の変異で起...

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体の免疫システムとガンの関係

しばしば聞く言葉ですが、がんに対しての「免疫」を高めると、がんが小さくなるということは本当なのでしょうか。実際、民間治療の中でも、がんの免疫療法は一番ポピュラーなものだといえます。しかし、このような民間療法は非常にお金がかかりますし、治療効果は証明されているものではありません。とはいっても、「免疫療...

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免疫不全だと細胞が成長しない

健康なマウスと免疫不全のマウスに、それぞれ非ウイルス性の腫瘍を植えつける実験が実施されたことがあります。このとき、単純な組織不適合ということで拒絶されてしまわぬよう、同系統のマウスから生まれた腫瘍が使われました。実験の結果は、免疫不全のマウスには腫瘍はそのまま張り付いてしまい、成長しましたが、正常な...

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がん遺伝子が存在する場所とは?

遺伝子の異常が引き起こす病気が、がんです。現在ではこれは確立された事実であり、疑うがん研究者はいません。しかし、遺伝子が人間にがんを発症させる直接の原因であることが科学的に証明されたのは、1980年代にはいってからでした。人間の体をつくっている細胞は、必要なときに分裂や増殖をして、いろいろな物質をつ...

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