幹細胞が潜んでいる場所とは?

幹細胞が潜んでいる場所とは?

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生体内での幹細胞は、その未分化性を保つことを助けてくれて、その上自己複製を誘導してくれるような細胞を適した場所として棲息しています。その未分化性や、自己複製の力を発揮できる領域のことを“幹細胞ニッチ”とよんでいます。英語のニッチ(niche)はもともと“すきま”という意味ですが、幹細胞の研究分野では、これは生態学的な適した場所のことを指しています。

 

幹細胞がすき間に入り込んでじっと眠っている状態を想像してニッチと名付けられたのでしょう。ニッチは細胞毒性をもった薬や物質から、幹細胞を守る“盾”としての機能をもっていることから、今ではがん幹細胞のニッチを破壊することでがんを治療する方法が提案されています。

 

幹細胞が潜んでいる場所とは?

 

いろいろな組織に幹細胞が存在するという事実は、幹細胞はそれぞれの組織の決まった場所を利用しているということをほのめかしています。たとえば造血幹細胞では、骨髄の中の骨内膜にくっついて存在する骨芽細胞がニッチ細胞として使われています。また神経は、神経幹細胞は海馬や脳室下帯にあることが分かっています。腸管には、腸小窩という場所に存在しています。

 

こういった領域では、幹細胞は長い間存在しているのですが、幹細胞が急に増殖しなければいけないときは、血管で幹細胞が活発に自己複製をしていることが観察されています。では、がん組織の場合はどうでしょうか?次の項目では、ここ最近いろいろながんのモデルで明らかになってきているがん幹細胞の存在と、それを保っている生体のしくみについて見ていきましょう。


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