がんの転移を防ぐ方法とは?

がんの転移を防ぐ方法とは?

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ドイツがん研究センターでは、数多くある研究分野の中でも、特にがんの転移の問題を主に取り組んでいます。なぜならば、がん患者の死亡原因は主に転移によるものであることと、ひとたび転移がはじまると、治療に効果がなくなってしまうからです。同センターのハイケ・アルガイエル教授によると、がん発症者の9割は原発がんではなく、転移した結果亡くなってしまうとのことです。

 

正常な細胞が突然変異により遺伝子変化を起こし、これが繰り返されることによりがん細胞が生まれます。がんの種類によってこの遺伝子変異の回数は異なり、10〜20回も変異しているものもあります。最初の遺伝子変異は、細胞の成長初期の段階で起きることがあります。その後も長い時間をかけ、変異を繰り返すうちに小さな悪性腫瘍となっていきます。さらに変異を繰り返し、がん細胞に姿を変えるときわめて悪性度合が高い腫瘍となり、転移する能力をもってしまうのです。

 

がんの転移を防ぐ方法とは?

 

実は最初の遺伝子変異から悪性腫瘍となって転移するようになるまでには、かなりの時間を要するとされ、ある研究によれば、20年〜30年もの年数がかかることがわかっています。がんの転移の流れは、すでに解明されています。悪性腫瘍から剥がれ落ちたがん細胞が、血液やリンパ液と一緒に別の臓器にたどり着きます。そこでがん細胞が定着をおこすと二次がんを形成し、腫瘍をつくります。

 

実際に転移し、腫瘍にまでいたるのは、悪性腫瘍から一日に数百万個もの数が剥がれ落ちるがん細胞のごく一部です。剥がれ落ちたがん細胞がすべて血管やリンパ線に入り込むとは限らず、たとえ入ったとしてもその中で死んでしまうこともあります。

 

また、血管に入ったがん細胞は、血管壁を通り抜けないとその後ろにある臓器に侵入することができませんが、この血管壁を貫くことはとても難しいのです。このようにがんの転移の仕組みは明らかになっていますが、転移を防ぐための治療の開発には、分子生物学による、さらなる研究解明が必要とされているのです。


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