細胞周期に異常が起きた時

細胞周期に異常が起きた時

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細胞周期には、それらを監視するチェックポイントなるものがあります。ビール工場に例えて、チェックポイントの説明をしていきます。監視係は監視室からモニターを見ています。何も問題が起きていない時には、見ているだけですが、万が一、瓶でも割れたりした時、監視係はスイッチを切り替え、ビール瓶の製造を停止させます。そして係の人に素早く連絡します。そして異常がなくなったらスタートさせます。

 

チェックポイントも一緒で、細胞周期に異常が起きた時、すぐに細胞周期を止め、すぐさま修復機能を使い、異常を取り除いたらスタートさせます。チェックポイントは、様々なタンパク質がバケツリレーのように活性化していきます。次々に命令が渡って行き、最後には細胞周期を止めることができます。

 

細胞周期に異常が起きた時

 

例を上げてみましょう。DNAが切断された時、チェックポイントではコントロールされ、細胞周期が停止します。まず、DNAが切断されます。そして酵素Aが活性化し、酵素Bも活性化させます。その酵素Bは酵素Cをリン酸化します。酵素Cはタンパク質につかまります。酵素Dは細胞周期をM期に進行させますが、酵素Cがないため進行できなくなります。そして、M期に進行できずG2期で止まってしまいます。

 

酵素AやBはリン酸化酵素で、目標の酵素にリン酸を付着させることで活性化していきます。ところが一方の酵素Cは脱リン酸化酵素で、酵素Dのリン酸を取り除いて活性化させていきます。正常の時2つがくっついている状態で生きているのは酵素Aです。細胞の中のDNAが切断された時、勝手にリン酸化し、その際に分子は離れ一つ一つに分かれます。そして酵素Bをリン酸化することで活性化し、その結果ほかの酵素も活性化させます。

 

 

細胞周期がおかしくなった時、リン酸化酵素が他の酵素を活性化させていきます。これをリン酸化カスケードと呼ばれています。DNAが切断された時だけでなく、DNAの損傷などのときも、同じように細胞周期は止まります。ただしその時は、別の酵素Eの影響で、酵素Fなどを活性化させます。

 

そういえば、酵素にはA〜Fまでのアルファベットをつけました。でもそれはこちらの都合でつけただけですので、本当の名前ではありません。ご了承ください。DNAが損傷した時、もう1つの作用が起きます。

 

 

このしくみでは、DNAが損傷したという指示を受けた時、P21といったタンパク質がはたらきます。このタンパク質は細胞周期でいうアクセルである、CDKとサイクリンに結合します。そのなかでもあるものに結合してしまうと、細胞周期はS期に進めなくなる。つまりはG1期で止まってしまうということです。

 

このP21というタンパク質は、S期でDNAを増殖させるために必要なポリメラーゼの活性化もとめます。ということは、P21は2つの役割を果たす代わりに、細胞周期をG1期で止めてしまいます。人間は、DNAが損傷するとG1期でも周期を停止させ、損傷した細胞を繁殖させないよう二重にセキュリティを持っているのです。


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